長毛種の猫を飼うことには、美しい毛並みを漂わせる愛猫に酔いしれる幸せがあります。
しかし、その綺麗な被毛を維持する為には適切なお手入れが欠かせません。ブラッシングやシャンプー、毛玉対策は、猫と飼い主さんの幸せな暮らしに不可欠です。
そこでこの記事では、長毛種の猫の特徴を基におすすめのブラシやお手入れ用品、そして毛玉のお手入れ方法まで、飼い主さんが知っておくべき気をつけるポイントをご紹介します!
筆者情報
2歳半(メス)のサイベリアンフォレストキャットと共に生活しています。
ペットとしてよりも「猫と共に生活をする」をテーマに、猫の性格や飼育の大変さについての気づきや課題を実体験ベースで記事として記述しています。
人気の長毛種猫の種類とその特徴
長毛種猫のお手入れ(ブラシ、毛玉対策、シャンプー等の被毛維持の為の方法)において気をつけることを解説する前に、先ずは長毛種猫の概要、人気の長毛猫種とその特徴をご紹介します。
メインクーン
メインクーンは、ギネス世界記録の「世界一大きい家猫」の常連である大型長毛種猫です。
成猫のオスで体重約6〜8kg、メスで体重約4〜6kgあり、体長はオスメス共に約1m(100cm)ほどあります。
大きな体格と穏やかな性格が魅力的で「ジェントル・ジャイアント(穏やかな巨人)」の相性で親しまれています。
古くからワーキングキャット(家のネズミなどを捕獲する役割)として人と共に暮らしていることから、飼いやすくて賢い猫種として認知されています。
メインクーンについてもっと詳しく知りたい方はコチラ⬇︎
メインクーンの性格と特徴|他の大型長毛猫との違いとは?
ノルウェージャンフォレストキャット
ノルウェージャンは、スカンジナビア半島(ノルウェー・スウェーデン)を原産とする大型長毛猫種です。
大自然の中で生き抜いてきた歴史から、高い運動能力と筋肉質な体を持ちます。
性格は「穏やかで甘えん坊」である個体が多く、多頭飼いや小さな子供との生活にも上手く適応できます。
ノルウェージャンについてもっと詳しく知りたい方はコチラ⬇︎
ノルウェージャンフォレストキャットの性格や特徴|飼育が大変って本当?
サイベリアンフォレストキャット
サイベリアンは、ロシアのシベリア地方原産の大型長毛種猫です。
極寒の環境下を生き抜く為に、長毛種の中でも稀有なトリプルコート(三層構造の被毛)を持っています。
モフモフの毛並みと好奇心旺盛な性格が特徴的です。
また、サイベリアンは賢くて飼い主さんをしっかり観察する様子から、「犬のような猫」と表現されることもあります。
サイベリアンについてもっと詳しく知りたい方はコチラ⬇︎
一緒に過ごしてわかったサイベリアンフォレストキャットの性格や特徴
ラグドール
大きな骨格とセミロングの被毛をもつ大型長毛種ラグドールは、その愛嬌と飼いやすさから大人気の猫種です。
人間が抱っこした時に、まるで「ぬいぐるみ」のように抱かれることからラグドールという品種名がつけられたと言われています。性格も穏やかで飼い主さんに従順です。
他の大型長毛種と比べて、成猫以降は運動量が控えめな点が特徴です。
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ラグドールの性格や特徴|大型長毛種の飼い方で気をつけることを解説
まとめ
個体差はあれど、(大型)長毛種猫を飼育する上で気をつけることは「成猫になるまでの成長期間が3〜5年かかる」ことを認識することです。一般的な猫種は、生後約12ヶ月で成猫への成長が完了します。
その分、健やかな成長をサポートする為の栄養満点のフードとブラシやシャンプー等の毛玉ケアなどに気をつけることが大切です。
長毛種の猫に必要なお手入れと気をつけること
長毛種の猫のお手入れは、愛猫の健康と幸せに直結しています。ブラシやコームを使用した毎日のブラッシングは毛玉の形成を防ぎ、皮膚の健康を保つのに役立ちます。また、長毛種の健康に配慮した食事を用意したり、餌を食べたり水を飲む際に毛に食べ物や水が付着しやすい長毛種のために、口周りの清潔を保つことも重要です。
月に一度のシャンプーは、被毛を清潔に保ち、不快な臭いを防ぐのに役立ちますが、猫のストレスにならないよう、慎重に行う必要があります。
各カテゴリー別に、長毛種に必要なお手入れと気をつけることをご紹介します!
定期的なブラッシング
短毛種(一般的な猫種)の猫には週に1回、長毛種には1日1回のブラッシング(被毛のお手入れ)が推奨されています。
長毛種猫に頻繁にブラッシングが必要とされる理由は、以下の通りです。
- 毛玉、毛球症の予防
- 抜け毛による部屋の汚れの予防
- 毛玉による皮膚炎・腸閉塞の予防
長毛種は大きな毛玉ができやすく、皮膚も蒸れやすい - コミュニケーションとして
ブラッシングを通してスキンシップをとる時間をつくろう
長毛種はどうしても毛に汚れがつきやすく、毛がからまって毛玉もできやすいです。ブラシやコームを使って1日1回は被毛をお手入れしてあげましょう。
ブラッシングを行うことで皮膚に適度な刺激を与えることとなり、血行がよくなりマッサージ効果も期待できます!
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長毛種猫の毛玉対策とお手入れ!ブラッシング嫌いの子はどうすればいいの?
月に1度のシャンプー
長毛種の被毛には、フローリングの埃やゴミが付着しやすいです。また、アンダーコートや抜け毛予備軍の被毛を除去したり清潔に保つ必要もあります。
月に1度はシャンプーで体全体のお手入れをしてあげましょう。
長毛種猫へのシャンプーのやり方
①準備を整える
必要なもの(猫用シャンプー、タオル、ブラシ、滑らないマット、ピッチャーまたは手持ちシャワー、温かい水)をあらかじめ準備しておくことが重要です。人間用のシャンプーは猫の皮膚に刺激を与えることがあるので、猫専用のものを使用してください。
②ブラッシング
シャンプー前に猫をブラッシングして、絡まった毛や余分な抜け毛を取り除きます。これにより、洗浄時の毛の絡みを防ぎます。
③水慣れさせる
猫を水に突然入れるのではなく、ゆっくりと水に慣れさせることが大切です。まずは足元から少しずつ濡らしていき、徐々に体全体を濡らしていきます。
④シャンプーとすすぎ
猫用シャンプーを適量手に取り、猫の体に優しくマッサージするようにして泡立てます。目や耳、鼻には水やシャンプーが入らないよう注意してください。その後、温かい水でしっかりとすすぎます。
⑤乾かす
タオルで優しく体を包み込み、水分を吸収させます。猫がドライヤーの音を怖がらなければ、低温設定で優しく乾かすこともできます。
長毛種猫の定期的なシャンプーには、猫アレルギー対策の効果も期待できます。
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爪切り、口周りのお手入れ
長毛種猫の力は一般的な猫種よりもパワフルな為、ちょっとした接触でも爪が刺さると切り傷に繋がったり家具や壁が損傷する恐れがあります。また、餌や水の飲み食いの際に口周りの被毛が汚れて不衛生になることがある為、ペット専用ウェットティッシュ等を使用して常に清潔にしてあげる必要があります。
長毛種猫への爪切りのやり方
①準備を整える
専用の猫用爪切りを用意し、爪切りを行う場所が静かで、猫がリラックスできる環境であることを確認してください。
②猫を落ち着かせる
猫を抱っこするか、膝の上に乗せて安心させます。爪切り前に猫を撫でたり、おやつを与えたりして、リラックスさせることが大切です。
③爪を出す: 猫の足のパッドを優しく押すと爪が出ます。爪を出した状態で、どの部分を切るか確認します。
④切る部分を確認
爪の透明な先端部分のみを切ります。気をつけることとして、血管が通っている「クイック」と呼ばれる部分には切り込まないように注意してください。
⑤少しずつ切る
爪切りは少量ずつ行い、猫の反応を見ながら進めます。不安定な様子を見せたら、その日は少ない本数で終了し、別の日に再度トライします。
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長毛種猫の健康的な成長をサポートするキャットフード選び
長毛種猫への餌選びで気をつけることは、被毛・肌ケアや消化器ケアの成分が配合されているかどうかを確認することです。また、長毛種の多くは大型猫に分類されるので、大型猫の場合は大きな骨格の形成や関節サポートの栄養が配合されているフードを優先的に選びましょう。
大型猫は摂取エネルギー量が多い為、肥満への配慮も大切です。
大型長毛種猫にとって理想的な栄養バランス
- 豊富な動物性タンパク質
骨や筋肉の形成を促す高タンパク質なキャットフードを選んであげましょう。肉食動物である猫にとっては、植物性タンパク質ではなく動物性タンパク質(肉や魚などの動物性たんぱく質が主原料のもの)が栄養源です。
高タンパク質のキャットフード(=含有率35%以上が目安)! - 関節ケア
他の猫種に比べて体重が重く、関節に負担がかかりやすいです。特に肥満体型であったり、過度に激しい運動をすると、関節に負担がかかり軟骨の摩耗や硬化を引き起こします。関節の健康維持のため、関節軟骨の成分である、コンドロイチン硫酸・グルコサミンが配合されたフードを選びましょう。 - 長毛で密な美しい被毛を保つ
長毛種独特の美しい被毛を維持するには、被毛のもととなるタンパク質を十分に摂取する必要があります。同時に、毛のしなやかさを維持する適切な量のオメガ3,6不飽和脂肪酸も必要です。皮膚の健康を維持するために、健康的な代謝を助けるビタミンA 、セラミドの合成を促進し、皮膚を乾燥から保護する働きをするビタミンB群(ナイアシン、パントテン酸、コリン)を適切に摂取する必要があります。
ちなみに、サイベリアンを飼育中の我が家では、オリジンキャットフードを採用しています!詳しく知りたい方はコチラ⬇︎
オリジンキャットフード(Orijen)を猫にあげてみた感想と口コミ・評判を紹介!
- 穀類不使用:果物と野菜を多種使用(約20%)
- 炭水化物を最小限に抑えた高タンパクフード
- 自然本来の旨味と風味で食いつき抜群
- 健康的に丈夫な体を目指す猫に最適
長毛種であるが故、毛づくろいの際に体内に入った毛を上手く消化できずに「※毛球症」や「消化不良」になりやすいです。※飲み込んだ毛の排出がうまくいかず、胃や腸の中で大きな球状になる状態
毛玉ケアフードや、食物繊維を含んだフードがおすすめです。ただし、食物繊維の過剰摂取は便秘を促す場合もあるので注意しましょう。天然オリゴ糖なども有効とされています。
猫は穀類の消化が苦手なため、グレインフリー(穀物不使用)の商品を推奨します。
肥満猫のダイエットついて詳しく知りたい方はコチラ⬇︎
肥満猫のリスクとストレスなくダイエットして体重を減らす方法は?
以上が、長毛種の猫に必要なお手入れと気をつけることの基本です。
ブラシやシャンプーによる毛玉ケアはどの猫種にも必要ですが、「長毛種猫の場合は特に気をつけてケアする」というマインドが適切だと感じます。
お手入れをしないとどうなるの?
上記のような「長毛種の猫に必要なお手入れ」を怠った場合、長毛種の猫は様々な健康問題に直面する可能性があります。
ブラッシングを怠った場合
- 抜け毛の増加
- 猫アレルギーの悪化
- 毛玉ができる、毛玉を吐く、毛球症のリスク
- 愛猫へのストレス
シャンプーを怠った場合
- 抜け毛の増加
- 猫アレルギーの悪化
- 愛猫の体臭がキツくなる
- 毛玉ができる、毛玉を吐く、毛球症のリスク
- 不衛生
【実体験】サイベリアンがなつかない?性格が悪いのはどうして?
爪切りを怠った場合
- 爪が引っかかることによる事故やケガの恐れ
- 飼い主さんや猫自身のケガのリスク
- 家具や壁、床がボロボロになる
【実体験】これまでサイベリアンを飼育していて大変だったことを全部紹介します
栄養バランスや餌の量が不足した場合
- 肥満、痩せすぎ体型に陥る
- 被毛や毛艶の劣化
- 肌の劣化
- 免疫力の衰え
- 病気や関節炎、口内炎の発症リスク
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また、これらが複合的に原因となり、愛猫の精神面にもストレスを与えます。
凶暴化したり、信頼関係が崩れて「なつかない」と感じてしまう行動や仕草が目立つようになります。
ブラシやコームを使用したブラッシングは、毛玉・抜け毛予防と同時に、飼い主さんと愛猫のスキンシップの時間でもあります。
長毛種猫の身体の健康と心の健康の両方に気をつけることを心がけましょう。
長毛種の猫におすすめのブラシやお手入れ用品
長毛種の猫のお手入れには、長毛種向けに設計されたブラシや猫用品がおすすめです。
長毛種特有のアンダーコートの抜け毛を効果的に取り除き、毛玉の形成を防ぎましょう。また、シャンプー後のドライヤー使用は、毛を早く乾かし、毛玉や皮膚病を防ぐのに役立ちます。お風呂場でのシャンプーが苦手な飼い主さんは、ペットサロンを利用したりドライシャンプー用品などを導入することも検討しましょう。
長毛種専用ブラシ
- 獣医師監修:健康メソッド訴求、肌に優しい
- 毛玉・スキンケア・熱中症対策におすすめ
- トップコートや肌を傷めることなくアンダーコート除毛
- 歯についた毛をワンプッシュで簡単除毛
ファーミネーターは、とにかく抜け毛予備軍たちをごっそり除毛します!
実際に私も愛用していますが、アンダーコートを的確に除毛できるので飼い主さんも愛猫もストレスを感じることなく簡単にブラッシングできます。
時間、回数を重ねることなくしっかり除毛できるので、長毛種猫と暮らす飼い主さんは必ず手に入れておくべきブラシでしょう!
スキンシップとしても効果的な日常使いコームと猫じゃすりも!
- 粗目と細目の2タイプが一体になったコーム
- 櫛の先端が処理されており皮膚を傷つけない
- 見た目もシンプルで、愛猫も安心
- 猫をリラックスさせながら被毛の処理が可能
粗目と細目があるので、細かい抜け毛も見逃しません。
我が家でも使用していますが、先端が丸く処理されていることもあってか非常に気持ちやすそうな様子です!持ちやすくシンプルな設計なので、毎日のちょっとした時間にも労力なくケアが可能です。
- やすり面に忠実に猫ちゃんの「舌」を再現
- 猫同士の愛情表現を飼い主さんと!
- 愛猫に満足してもらいたい方にピッタリ
- 猫とのコミュニケーション用グッズ
猫の舌の感触を忠実に再現したこの猫じゃすりで愛猫を優しく撫でてあげましょう。猫同士でグルーミングし合っている気持ち良さそうな光景を飼い主さんと共に実現できる商品です!
私も愛用してしていますが、我が家のサイベリアンも大好きで離れません。
シャワー不要の簡単ドライシャンプー
- 酵素の力を利用した水の要らないシャンプー
- 天然酵素が汚れ・ニオイ・フケを分解を分解
- 猫舐めても安心:海洋深層水由来の優しい成分
- ふんわり・ツヤツヤの仕上がり
泡を用いて手袋でマッサージしながら拭き取り、ブラッシングで整えるだけの簡単水入らずのシャンプーです!
その他、涙やけ・耳ヤニ・顔周りの汚れ・猫あごにきび等の部分ケア、毎日のブラッシング用ケア剤、といった普段のネコちゃんのケアに伴う猫用品としても使えます。
手軽な猫アレルギー対策としてバッチリなアイテムです!
- 犬猫兼用のドライシャンプー専用手袋
- 手袋型:5本指で隅々まで自在に拭ける
- 外面は汚れや水分を吸い取り、内面は防汚・防水
- 男女兼用のフリーサイズ
手間をかけずに猫ちゃんのケアができます。使い方は「①ケア剤を付ける⇒②拭き取る⇒③裏返して捨てる」の簡単3ステップ。左右対称、両面が使えるので、使い残しが少なく経済的です。
上記で紹介した、「ネコアレ専科 ドライシャンプー」との組み合わせが最適です!
長毛種の猫と幸せに暮らすために
長毛種の猫との生活は、適切なお手入れがあれば非常に豊かなものになります。
私自身、大型長毛種に分類されるサイベリアンと暮らしていますが、「長毛種だから」という理由で飼いにくさや不便な思いをした経験はありません。定期的なブラッシングとシャンプーは、猫との絆を深めるスキンシップの機会です。
長毛種の猫を飼うということ以前に、ペットとの生活には責任が伴います。
ブラシやドライシャンプーなどの適切な猫用品を揃えて、毛玉対策やお手入れに気をつけることで、より豊かな長毛種との生活を実現しましょう!
【必見】「猫を飼うんじゃなかった」と感じた時に絶対知って欲しいこと
サイベリアンとの暮らしに便利なおすすめ猫用品|必要なものをピックアップして紹介します