ラグドールの寿命と注意すべき病気やケガ

ラグドール

ラグドールはぬいぐるみのような可愛い外見と愛嬌たっぷりの性格で多くの飼い主に愛されていますが、ラグドールの健康寿命を守るためには、特定の病気やケガに対する注意が必要です。寿命が約13〜15歳とされるラグドールですが、時折耳にする「寿命 短い」という概念を覆すためにも、適切な予防策とケアが欠かせません。
この記事では、ラグドールの健康寿命を延ばし、病気やケガから守るための知識と対策を紹介します。

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ラグドールの寿命と一般的な特徴

ラグドールの寿命や性格、身体的な特徴について解説します。

ラグドールの平均寿命

ラグドールの平均寿命は13〜15歳とされています。統計データなので、個体差は生じます。
事故やケガ、感染症等の病気のリスクを考慮した場合、室内飼いのラグドールの方が平均寿命は長くなる傾向にあります。
ラグドールの飼育を検討しており、少しでも健康・平均寿命を延ばす意識がある場合は完全室内飼いが推奨されます。

ラグドールの身体的特徴

ラグドールは大型長毛種に分類される猫です。
筋肉質の大きな骨格とセミロングの被毛が特徴的です。また、毛色の配色や模様が様々であり、スカイブルーのエレガントな瞳の色もチャームポイントの1つです。
生後12ヶ月時点の場合、平均体重はオスで5.0〜7.5kg、メスで3.5〜5.0kg程度とされています。ただし、大型猫は3〜4年かけて成長する可能性が残っているため、これらの平均体重よりも重くなる場合も考えられます。
ラグドールの性格や特徴|大型長毛種の飼い方で気をつけることを解説

ラグドールの性格的特徴

一般的に、大型猫ほど性格が落ち着いていて飼いやすいと言われています。個体差はありますが、ラグドールの性格、特徴として以下が挙げられます。

  • 愛情深い
  • 愛嬌がある、なつきやすい
  • 穏やかな性格で、子供に対しても優しい

人間が抱っこした時に、「ぬいぐるみ」のように抱かれることからラグドールという品種名がつけられたと言われています。

ラグドールの性格は悪い?飼育にあたってのデメリットや注意点を紹介します

以上がラグドールの一般的な特徴です。これらの情報を見る限り、「寿命 短い」と言われる原因は見当たりません。
ラグドールは比較的健康で長生きすることが多いですが、完全室内飼いと適切な食事、定期的なブラッシングなどが健康寿命を維持する鍵です。
では、ラグドールの寿命を縮めてしまう病気やケガ、「寿命 短い」と揶揄される原因について以下で解説します。

ラグドールがかかりやすい病気

ラグドールの寿命に関与し得る病気をご紹介します。

ラグドールがかかりやすい病気

  • 肥大型心筋症
    心臓の筋肉が肥大化し、血液を送り出せなくなる。
  • 熱中症
    長毛種であるがために熱を放出しきれず、(特に夏場に)陥りやすい。
  • 毛球症 
    長毛種はかかりやすい。グルーミング時に毛を飲み込んでしまい、上手く消化できないことが原因。
  • 尿路結石症 
    膀胱や尿道に結石がたまる。
  • 慢性腎不全 
    腎障害があり、糸球体ろ過量の低下が3ヶ月以上続く。
  • 多発性嚢胞腎 
    腎臓に多数の嚢胞ができる。
  • 眼瞼内反症 
    瞼が内側に捲れる。

肥大型心筋症、尿路結石症、慢性腎不全等の病気は遺伝的要素が強いため、ブリーダー選びの際に慎重になる必要があります。
予防策としては、定期的な健康診断を受け、特に心臓病に対しては心エコー検査を定期的に行うことが推奨されます。また、尿路結石症の予防には水分摂取を促すため、ウェットフードの導入や効果的な水飲み場の設置が有効です。慢性腎不全に関しては、早期発見が重要であり、多飲多尿や食欲不振などのサインに注意を払う必要があります。

上記の遺伝的な病気や慢性的な生活習慣が原因の病気は、ラグドールの平均寿命が縮まったり「寿命 短い」と言われる原因です。
その他、室内飼いであったとしても事故やケガのリスクも潜んでいるでしょう。

熱中症対策は必須!暑さには注意が必要

ラグドールが持つセミロングの被毛には、保温効果があります。
一般的な猫種よりも冬の寒さへの耐性がある一方で、暑さには弱いとされています。夏場の熱中症には注意するとともに、適切な予防措置をとりましょう。
熱中症が原因となって体調不良に陥り、間接的に病気を引き起こす可能性もあります。
以下に、大型長毛種であるサイベリアンを飼育中の私の実体験をもとに熱中症への対策をご紹介します。

ラグドールの熱中症対策

家のどこかに特別涼しいスペースがあれば話は別ですが、そうでなければ外出時にもエコ運転でクーラーを作動させておくべきでしょう。夏場の電気代はある程度覚悟する必要があります。

  • 夏場のエアコン設定温度は27~28℃の除湿運転を推奨(さらに低い温度でもよい)
  • 脱水にならないよう水飲み場を複数設置
  • サマーカット(毛を短く切ること)も保温性を低める効果は期待できる

猫が快適に感じる温度は25℃前後とされており、ノルウェージャンにとっての適温はそれよりも低いと言われています。 室内飼いの場合、飼い主さんの外出時は27〜28℃前後の除湿運転で問題ないと感じています。設定温度・室温の調整については、お住いのお部屋の密閉度や広さに依存します。
人間が耐えられるからといってエアコンを作動させないのはNGです。

実体験(熱中症)
ペット同伴可能のペットカフェに入店した際に、一度だけ熱中症のような症状に陥りました。犬のように舌を出して「ハァハァ」と吐息を漏らしていました。
後から聞くと、その店舗はエアコンが故障していたようで、私自身入店した直後から愛猫の様子を伺っていました。普段から自宅で室温管理を行っていれば、飼い主さんが自然に気づいたり敏感に反応できると思います。
保冷剤で応急処置の後、直ぐに家に連れて帰ったので大事には至りませんでした。

実体験(サマーカット)
サマーカットについては、夏場限定で推奨します。
そもそも、猫は肉球からしか汗をかかないので、被毛をカットしたからといって涼しさを直接感じることはありません。保温機能が薄れて、結果的に熱中症対策に繋がることはあります。
我が家の愛猫も数回サマーカットを施しました。飼い主にとって、「床に落ちた抜け毛が目立たなくなった」「涼しそう」という感覚はあります。
一方で、突然長毛の被毛が短くカットされたので、毛繕いが日課の我が家のサイベリアンにとっては少しストレスがかかってしまったようにも見受けられました。短い箇所を頻繁に気にしていました。
被毛のカットは、愛猫にとって長時間拘束される苦しい行為になる可能性もあります。挑戦してみて、愛猫の様子をしっかり観察しましょう。

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ラグドールは短命なの?

前述の通り、ラグドールの平均寿命は13〜15歳とされています。つまり、適切なケアによる病気の予防がなされており、不慮の事故やケガがない場合は一般的な猫種と同等またはそれ以上の寿命が期待できます。
結論として「寿命 短い」という噂は事実ではありません。しかし、遺伝的にかかりやすい病気やケガのリスクが存在するため、飼い主さんの注意深い観察と予防策が必要です。

飼い主さんが取り組める病気やケガへの対策

完全室内飼いの徹底 

不慮の事故や感染症等の病気のリスクを下げる為に、可能な限り室内飼いを徹底しましょう。
愛猫が家の外に出る場合、車や自転車による事故や野良猫とのケンカが起こる可能性があります。また、落ちている食べ物や他の動物との接触により、思わぬ感染症をもらってしまうことも考えられます。

定期的なブラッシング、シャンプーを欠かさない

長毛種であるラグドールには、毛球症のリスクや被毛に付着したゴミや菌を体内に取り込んでしまう危険性が比較的高いです。
ラグドールの健康を守る為には、日常的な被毛ケアが必要です。ブラシやコームを使用した1日1回のブラッシングに加え、月に1度のシャンプーが推奨されています。

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ブラッシングを嫌がる愛猫の為に読んでほしい記事⬇︎
長毛種猫の毛玉対策とお手入れ!ブラッシング嫌いの子はどうすればいいの?

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猫は水が苦手なので、自宅でシャンプーをするのは中々大変です。加えて、長毛種の被毛は完全に乾燥していない場合全身が甲羅のような毛玉となってしまいます。不安が残る飼い主さんは無理をせず、信頼できるペットサロンを利用することを推奨します。

筆者の実体験を通したシャンプーや爪切りのやり方を解説した記事はコチラ⬇︎
サイベリアンが暴れる理由とは?爪切りやシャンプーのやり方も紹介します

健康に配慮した餌選び

筋肉質で大きな骨格と長毛の被毛をもつラグドールには、健康的な成長や体格の維持をサポートするための栄養素が不可欠です。
また、成猫以降のラグドールは他の大型猫に比べて運動量が少ない傾向にあります。
運動を促進するだけでなく、普段の食事から肥満対策を行いましょう。

ラグドールに必要な栄養素
  • タンパク質 
    健全な骨格・筋肉形成のために高タンパクが必要。動物性タンパク質がベスト。高タンパク質のキャットフード(=含有率35%以上が目安)!
  • 関節ケア
    大型種で活発なため、その分関節にかかる負担も大きい。グルコサミンやコンドロイチンを含んだ関節のサポートを促すフードが良い。
  • 毛玉・消化器ケア
    長毛種のため、毛づくろいの際や抜け毛を食べてしまった場合に「※毛球症」や「消化不良」になりやすい。毛玉ケアフードや、食物繊維を含んだフードがおすすめ。ただし、食物繊維の過剰摂取は便秘を促す場合もある。天然オリゴ糖なども有効。猫は穀類の消化が苦手なため、グレインフリー(穀物不使用)の商品を推奨。
    ※飲み込んだ毛の排出がうまくいかず、胃や腸の中で大きな球状になる状態

ラグドールの健康的な皮膚、魅力的な毛並み、毛艶をキープするには、オメガ3脂肪酸を積極的に取り入れましょう。猫の体内で合成することのできない必須脂肪酸なので、意識的に食事で与えるべきです。
オメガ3脂肪酸には、血液中の赤血球の柔軟性を高める効果が期待できます。猫の心臓などの循環器への負担も減らすといわれています。
シニア猫に多い慢性腎臓病の猫でも、オメガ3脂肪酸をより多く含む食事を継続的に与えることで、腎臓の機能が低下するスピードが緩やかになることが分かっています。

肥満対策には低脂質・低炭水化物フードを!

室内飼い(飼育)は、野生に比べると確実に運動量が減ります。加えて、毎日確実に食事機会が訪れるので、内容量に配慮していないキャットフードを与え続けると肥満のリスクが高まります。
ラグドールのような大型猫には、なるべく低脂質・低炭水化物で高タンパク質なキャットフード を心がけてください!肥満は万病の元です。内臓や関節にも負担がかかります。

ラグドールに適したキャットフードと餌の量が知りたい方はこちら⬇︎
ラグドールにおすすめのキャットフードと最適な餌の量

効果的な水飲み場の設置

猫は砂漠地帯で誕生した動物であることから、水分不足に対して我慢強いです。一方、水分不足は猫の健康に害を与えるので、飼い主さんが工夫して水を飲む環境を提供する必要があります。
水飲み場を複数箇所設置したり、トイレの近くや寒い部屋等の猫が嫌がる場所を避けて設置するなどの工夫を施しましょう。

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猫が水を飲まない!?脱水症状の見分け方と対処法

愛猫を慎重に観察する

上記の対策の全てに共通することですが、飼い主さんが愛猫の仕草や行動から異変を感じ取ることができるかどうかが大切です。
ケガをした部位をかばっているような様子や、病気や体調不良を連想させるような普段と違う行動をしているかを見抜けるかどうかが、早期発見と愛猫の健康を守ります。
どうしようもなくなってから動物病院へ駆け込むことは、愛猫の健康寿命を縮めてしまう原因となります。
特に猫は体の小さな動物なので、1度の病気やケガでその後の生活に大きな支障をきたす可能性が高いです。
普段からラグドールを観察し、家族である飼い主さん自身が愛猫の健康をサポートするという姿勢が重要です。

猫と飼い主が幸せに暮らすために

ラグドールの健康寿命を延ばし、病気やケガから守るための知識と対策を紹介しました。
ラグドールの寿命を延ばし、病気やケガから守るためには、飼い主の継続的な観察と努力が必要です。適切な飼育環境、定期的な健康診断、そして何よりも愛情深いケアが、ラグドールとの幸せな共生を実現します。
家族の一員としてラグドールを迎え入れることは、単に猫を飼うこと以上の意味を持ちます。それは、互いの生活を豊かにし、心のつながりを深める貴重な経験となるのです。ラグドールと共に健やかで幸せな毎日を送るために、今日からできることを始めましょう。
ラグドール=「寿命 短い」という事実はありませんが、一期一会の貴重な時間を守れるかどうかは飼い主さんに懸かっています!

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