猫と家族として生活することを想像したとき、主に連想するものの1つとして「毛玉を吐く」という現象があると思います。
何となくですが、猫って毛玉を吐く生き物というイメージがありますよね。
特に、長毛種に分類される被毛が長い猫種は、そのイメージ通り毛玉を吐きやすいですし、体を舐めた際に体内に入ってくる毛の長さも勿論のこと長いわけです。
私自身、現在メスのサイベリアンフォレストキャットを飼育しています。
初めのうちはブラッシング嫌いの子で、被毛のお手入れが大変でした。
実際に何度か毛玉を吐いたこともあります。
長毛種猫の場合は、体内の毛玉をうまく消化できずに胃液とともに吐き出してしまう「毛球症」を発症しやすいです。
「猫は毛玉を吐く生き物」と思い込んで毛球症を放置することは非常に危険です。
嘔吐だけではなく、食欲不振を引き起こしたり、毛玉を消化する方法がないままどんどん体内の毛玉が大きくなり、消化器官や体に異常が出てきます。最悪の場合、死に至るケースも存在します。
この毛球症を予防するには、日々のブラッシングが重要となります。
ブラッシングが大事だと言われても、ブラッシング嫌いの猫ちゃんが嫌がるのを無視して毛並みを手入れするのは至難の技ですよね。
そこでこの記事では、「長毛種猫の毛玉対策とお手入れ」と題して、ブラッシング嫌いの子への対応策をご紹介します。
愛する家族である猫ちゃんにブラッシングを気持ちいいものと認識してもらい、毛玉フリーの猫ライフを手に入れましょう!
猫の換毛期について
猫には被毛が抜け落ちて生え変わる「換毛期(春と秋)」があります。
季節の変わり目になると、長毛種・短毛種問わず換毛期のスイッチが入ります。
長毛種の猫と暮らしている場合、この季節には部屋中に抜け毛が目立ちます。
換毛期に毛玉も形成されやすいので、毛球症対策のためにも毛並みのお手入れやブラッシングが必須と言えます。
主に室内で暮らす飼い猫にとっては、野生の猫と違って生活環境の温度差が少ないです。
そのため、明確な換毛期が見受けられない場合があり、年間を通して毛が抜けやすい傾向があります。
サイベリアンフォレストキャットはトリプルコートの被毛を持っているので、抜け毛がすごいです!
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長毛種猫にブラッシングが必要な理由
短毛種の猫には週に1回、長毛種には1日1回のブラッシングが推奨されています。
長毛種猫に頻繁にブラッシングが必要とされる理由は、以下の通りです。
- 毛玉、毛球症の予防
- 抜け毛による部屋の汚れの予防
- 毛玉による皮膚炎・腸閉塞の予防
長毛種は大きな毛玉ができやすく、皮膚も蒸れやすい - コミュニケーションとして
ブラッシングを通してスキンシップをとる時間をつくろう
長毛種はどうしても毛に汚れがつきやすく、毛がからまって毛玉もできやすいです。
1日1回は被毛をお手入れしてあげましょう。
ブラッシングを行うことで皮膚に適度な刺激を与えることとなり、血行がよくなりマッサージ効果も期待できます!
愛猫にとっては、毛づくろいとマッサージを同時に受けている気分なのかもしれませんね。
猫の毛のお手入れのやり方
長毛種の猫へのブラッシング方法・被毛のお手入れ方法をご紹介します。
短毛種の場合はラバーブラシで行いますが、長毛種の場合はスリッカーブラシとコームタイプのものを使い分ける必要があります。
- スリッカーブラシ
先端が尖っているブラシ。優しく毛並みに沿ってお手入れをする。
主に胴体から尻尾にかけて使用。 - コームタイプ
顔まわりは繊細なので、コームを使って頬や額、あご下から首にかけてを優しくお手入れする。
毛並みに逆らわないように注意。
ブラッシングで被毛のお手入れをすることは、毛玉や皮膚炎・毛球症から愛猫を守る為です。
一方で、猫にとってはストレスを感じる行為である可能性があるため、義務感から作業的に無理やりブラッシングをすることは厳禁です。
嫌がる猫ちゃんには、毎日少しずつが原則です。
トラウマとなってブラッシング嫌いにならないように注意しましょう。
静電気に注意
冬場は静電気がおきやすいので、ブラシを少し濡らして静電気を防ぎましょう。
ブラッシング嫌いの猫ちゃんの理由と対処法
ブラッシング嫌いの猫はたくさんいます。珍しいことではありません。
しかしながら前述の通り、嫌がるからといって被毛のお手入れを怠ることはNGです。
長毛種は特に毛玉や毛球症に陥る可能性が高いです。
愛猫の健康のためにも、ブラッシング嫌いになった理由を把握し、克服するためにベストを尽くしましょう!
ブラッシングを嫌がる理由・対処法
愛猫がブラッシングを嫌がる理由として、以下が考えられます。
ブラシが好みではない
使用しているブラシの感触が嫌いで、被毛のお手入れを嫌がるケースを予想しましょう。
素材や商品にもよりますが、猫は神経質な生き物です。
お気に入りのブラシに出会うまで、数回程度の買い直しは許容してあげましょう。
長毛種にスリッカーブラシとコームを用意する上で、皮膚に痛みを感じる可能性のある形状のものは避けましょう。
リラックスしていない状態
猫が活発で覚醒モードに入っている時は、ブラッシングを嫌がります。
ブラシをおもちゃとして認識し、飼い主さんと遊んでいると勘違いしている可能性があります。
特に、普段から飼い主さんと手遊びをしている猫はこのケースが考えられます。
愛猫を観察して、リラックスモードの時に語りかけながら優しくブラッシングをしよう!
ストレスを感じる行為である
猫にとって、ブラッシングがストレスを感じる行為である場合もあります。
ブラッシングを怠っていた場合、そもそもブラッシング自体に不慣れであったり、猫にとって嫌な部分を触られているケースがあります。
また、長時間の拘束を苦痛に感じていたり、過去に無理やりブラッシングをされて嫌な記憶が残っていることもあります。
ブラッシングは1回で完遂する必要はありません。
猫ちゃんファーストで、慣れさせるためにも初めのうちは短時間で複数回行っても良いでしょう。
大事なことは「少しづつ慎重に」です。
ブラッシングのポイント
比較的嫌がらないとされているあご下、首周りから始めて、継続できそうであれば背中・腰。尻尾までお手入れしましょう。
完全にリラックスモードに入ったら、お腹の毛もブラッシングできます!
・猫がリラックスしている時を見計らい、優しく褒めながら
・可能な限り子猫の頃から慣れさせる
・苦痛にならないように、少しずつ
・お手入れの終わりにおやつをあげてもOK
どうしても定期的なブラッシングを嫌がる場合は、サマーカットで被毛を短くすることも考慮しましょう。毛玉もできづらく、お掃除も楽になります。
一方で、いきなり長毛が短くなるとストレスを覚える可能性もあるので、あくまでも応急処置として認識してください。
毛玉ができてしまった場合
小さな毛玉であればブラッシング等で除去できますが、大きな毛玉が複数箇所できた場合はトリミングサロンの利用を推奨します。
また、シャンプーの後に完全に乾かせなかった場合、巨大な亀の甲羅のような毛玉ができる恐れがあります。
個人的には、長毛種猫のシャンプーはトリミングサロンに頼るべきではないかと考えています。
長毛種のお手入れにおすすめの商品
長毛種の猫の被毛ケアにオススメの商品をご紹介します!
- 押すだけで脱毛可能で処理が簡単
- 愛猫の皮膚を傷つけから守りながら、効果的にクリーンアップ
- 毛の流れを整えてきちんと感を作り出す
- 洋服や部屋の抜け毛を大幅削減
被毛の絡み、皮膚への刺激が防止されるよう設計されているので、毛玉のできやすい長毛種向きと言えます。
愛猫へのストレスも削減します。
また、ワンタッチで抜け毛を処理できるので飼い主さんにとってもストレスフリーです!
ビーズヘッドによるマッサージ効果も見込めるので、甘えてきた猫ちゃんとのスキンシップには最適です。
愛猫を癒しながら被毛のお手入れもしてあげられる逸品です。
- 粗目と細目の2タイプが一体になったコーム
- 櫛の先端が処理されており皮膚を傷つけない
- 見た目もシンプルで、愛猫も安心
- 猫をリラックスさせながら被毛の処理が可能
粗目と細目があるので、細かい抜け毛も見逃しません。
我が家でも使用していますが、先端が丸く処理されていることもあってか非常に気持ちやすそうな様子です!
持ちやすくシンプルな設計なので、毎日のちょっとした時間にも労力なくケアが可能です。
被毛の絡み、皮膚への刺激が防止されるよう設計されているので、長毛種向きと言えます。
- やすり面に忠実に猫ちゃんの「舌」を再現
- 猫同士の愛情表現を飼い主さんと!
- 愛猫に満足してもらいたい方にピッタリ
- 猫とのコミュニケーション用グッズ
猫の舌の感触を忠実に再現したこの猫じゃすりで愛猫を優しく撫でてあげましょう。
猫同士でグルーミングし合っている気持ち良さそうな光景を飼い主さんと共に実現できる商品です!
私も愛用してしていますが、我が家のサイベリアンも大好きで離れません。
大切な家族のために日々のお手入れを
長毛種の猫へのブラッシングは、お部屋を清潔に保つことよりも、愛猫の健康のために重要な行為であることを認識しましょう。
毛玉や抜け毛が目立つと、皮膚炎や不快感からのストレス、毛球症を引き起こします。
「ブラッシング嫌いで嫌がるからできない」と諦めるのではなく、家族である愛猫のためにどんな工夫や努力をしてあげられるのかを考えてみてください。
猫じゃすりを使用して身体を撫でたり触られることに慣れさせてみたり、おやつをあげて少しずつ少しずつ慣れさせてみたりと方法は様々です。
飼い主さんの真心と愛情に、きっと猫ちゃんも応えてくれるでしょう。
ブラッシングをマスターして、長毛種猫の健康を守りながら抜け毛・毛玉対策を実現しましょう!